バターの種類と選び方

バターの種類と選び方

一口にバターと言ってもいろいろな種類がありますよね。
「非発酵バター」「発酵バター」「無塩バター」「有塩バター」
それぞれの違い、分かりますか?

ヨーロッパで主流なのが発酵バター。クリーム(乳脂肪分)を乳酸菌で発酵させてつくります。発酵するときに生まれる酸味や独特な香りがあり、風味が豊か。日本では製菓材料店などに行かないとお目にかかれません。

日本の家庭ではクリームを発酵させずにつくられる非発酵バターが主流。スーパーで売られているバターはほぼ非発酵バターです。パンにつけたり料理に使ったり。


加塩と食塩不使用

スーパーに並んでいるバターのパッケージに「加塩」とか「食塩不使用」と書いてあるのを見たことがあるかと思います。
「加塩」というのは有塩バターのこと。日本の家庭で使われているバターの多くはこのタイプです。
風味を出すために製造過程で1.5%程度の塩が添加されています。

一方の「食塩不使用」はその名の通り食塩が添加されていないバターです。「無塩バターじゃないの?」と思った方も多いかもしれません。
お菓子のレシピには「無塩バター」と書いてありますよね。なぜパッケージには「無塩」ではなく「食塩不使用」と記載されているのでしょうか。
そもそも原料になっている生乳の中に、微量の塩分が含まれているんです。なので「無塩なわけではないけれど、加えてはいませんよ」という意味合いで「食塩不使用」としているんですね。
お菓子のレシピの「無塩バター」は、単に「有塩」に対して「無塩」としたのが定着したものと思われます。

発酵か非発酵かとなると、非発酵は生菓子にも焼き菓子にもオールマイティーに使えます。
発酵バターは味や香りの個性が強いので焼き菓子向きかもしれません。
メーカーによってもかなり味や風味が違うので、いろいろと試して好みのものを見つけたいですね。

塩分などの違いがあっても、バターのクリーミング性、ショートニング性、可塑性などはどれも同じです(参照:バターの3つの性質)。
ただ基本的にはお菓子を作るときは塩味をつけたくないので食塩不使用のバターを使います。

レシピの中に塩少々を加えるように書いてあれば有塩バターを使うのもありですが、食塩不使用バターで作り、ゲランドの塩などの味わいのあるお塩を追加してあげたほうが、より美味しいものができると思いますよ。